ひがしね古墳の森林(もり)を歩く
ちょっと前までは、集落の近くの里山は人びとの暮らしに必要な燃料としての薪(たきぎ)や屋根葺きの茅(かや)を取ったりする大切な場所だったんだけど、時代の変化とともにボクたちの暮らしが変化すると、里山の必要性が薄れてだんだんと放置されるようになってしまったんだ。
東根区の山もなかなか管理が行き届かなくて、普通の人は立ち入ることも難しかったんだ。そんな中、地元住民の皆さんが「神楽が奉納される愛宕神社や、古墳のあるこの森を地元の宝として磨こう!」と立ち上がったんだよ!
東根区の皆さんが榊流東根神楽を奉納している愛宕神社。今日の古墳さんぽのスタート地点だよ。
下草が刈り払われて明るくなった森の小道を行くと、奥に何やらこんもりとした高まりが見えてきたよ。
これは古峯神社古墳(こぶはらじんじゃこふん)。
長さ39mの前方後円墳だよ。古墳の上から見下ろしたり、古墳の周りに沿って歩くとおなじみの鍵穴の形が実感できるよ!
古墳の上には古峯神社の石碑があるよ。
木々の間から村田町の集落が見えたよ。
さらに奥へ進むと、こちらは夕向原1号墳(ゆうごっぱらいちごうふん)。
長さ57mの前方後円墳だよ。古峯神社よりも大きくて、高さもあるんだ。
刈り払いが終わって全体が現れると、きっと見応え充分だよ!
天気が良ければ木々の間から東は太平洋まで、西は蔵王の山並みが見通せるんだ!
散策コースは愛宕神社から往復約20分。里山の紅葉と古墳をめぐる楽しいお散歩だったなぁー!
じゃあ、またねー!
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蔵王町と村田町の境をなしている愛宕山丘陵上には、古峯神社古墳、夕向原1・2号墳の3基の古墳が確認されています。1996年に考古学研究者による測量調査が行なわれ、墳形と規模が下記のように推定されました。
古峯神社古墳(こぶはらじんじゃこふん) :前方後円墳(全長39m、後円部高3.5m)
夕向原1号墳(ゆうごっぱらいちごうふん):前方後円墳(全長57m、後円部高5.5m)
夕向原2号墳(ゆうごっぱらにごうふん) :円墳(直径24m、高さ2.5m)
また、愛宕神社のある愛宕山遺跡では、2012年に神楽殿再建に先立つ発掘調査で弥生〜古墳時代の貯蔵穴、2013年に参道部分の発掘調査で古墳時代の住居跡を確認しています。周辺には立目場遺跡(前期・中期)、中沢A遺跡(中期)、塩沢北遺跡(中期・後期)など、古墳時代の各時期の集落跡が多く確認されています。
こうした集落跡や古墳の分布から、この地域が当時の人々にとって居住適地であると同時に、支配者層の古墳が築造される重要な場所だったことが分かります。
愛宕神社で例年7月に行なわれる例祭で奉納されている榊流東根神楽(蔵王町指定文化財)について詳しくはこちらをご覧ください。<M>
ひがしね古墳の里めぐり 案内図(2018.6.8修正) プリント用PDF(3.58MB)
- 2014.11.14 Friday
- 文化財さんぽ
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- by どきたん