文様もリアルに再現! −土器の修復−
正面の色が薄い部分が、石膏を使って隙間を埋めた部分だよ。普通の石膏は真っ白なんだけど、違和感の無いように土器に近い色にしているよ。周囲の色と完全に同じにしてしまうと、土器本来の部分と修復した部分の区別が付かなくなるから、このぐらいでちょうど良いんだね
石膏の粉を水に溶かして隙間に流し込むと、15分くらいでカチカチ
に硬くなるんだ。完全に硬くなる前に、余分な部分を刃物で削り取っていくよ。

修復の終わった土器。四つ足のついた壺で、口の近くに小さな穴が並んで空けられているね。珍しい形の土器だ

こちらは土器の飾りの部分。残っている他の部分を参考にして、飾りの形を削り出していくよ。

ほうら、出来上がりだよ
土器の形や飾りの様子が良く分かるようになったね

これは谷地遺跡に集落があった縄文時代のこのあたりで流行したタイプの土器だ

こちらは細かな模様を彫刻刀で器用に削り出しているね。

波のような飾りは石膏を細く搾り出して・・・

乾燥して硬くなるのを待ってから、

また彫刻刀で器用に削り出していくんだ。

出来上がりだよ
元の姿に戻って土器もいきいき
したようだね
じゃあ、またねー!
--
縄文時代の遺跡からは多量の縄文土器が出土しますが、使用時の状態を保って出土することは滅多にありません。多くは縄文人が使用中に壊れたり、不要になったりして廃棄したもので、発掘調査ではバラバラに割れた破片として出土します。整理作業では、出土した破片を分類して、接合作業を行なって元の土器の形に復元していきます。縄文人が土器を使用した場所と捨てた場所が離れていたり、一部が壊れた後もしばらく使い続けたりすると、同じ土器の破片が離れたところに残されて、発掘では見つからないものが出てきます。これはごく普通のことで、研究者が土器を観察する時にはほかの類似した土器を参考にしながら欠損部を補うことができますが、それでも欠損部分があまりにも多い場合には土器全体の形や文様を把握するのが難しいことがあります。また、整理作業が終わった遺物を展示や学校の授業で多くの人に見てもらう場合には、一見して土器の特徴が理解できることが重要で、出来る限り不足部分を補って元の形に復元することが必要となります。

石膏の粉を水に溶かして隙間に流し込むと、15分くらいでカチカチ


修復の終わった土器。四つ足のついた壺で、口の近くに小さな穴が並んで空けられているね。珍しい形の土器だ


こちらは土器の飾りの部分。残っている他の部分を参考にして、飾りの形を削り出していくよ。

ほうら、出来上がりだよ



これは谷地遺跡に集落があった縄文時代のこのあたりで流行したタイプの土器だ


こちらは細かな模様を彫刻刀で器用に削り出しているね。

波のような飾りは石膏を細く搾り出して・・・

乾燥して硬くなるのを待ってから、

また彫刻刀で器用に削り出していくんだ。

出来上がりだよ



じゃあ、またねー!
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縄文時代の遺跡からは多量の縄文土器が出土しますが、使用時の状態を保って出土することは滅多にありません。多くは縄文人が使用中に壊れたり、不要になったりして廃棄したもので、発掘調査ではバラバラに割れた破片として出土します。整理作業では、出土した破片を分類して、接合作業を行なって元の土器の形に復元していきます。縄文人が土器を使用した場所と捨てた場所が離れていたり、一部が壊れた後もしばらく使い続けたりすると、同じ土器の破片が離れたところに残されて、発掘では見つからないものが出てきます。これはごく普通のことで、研究者が土器を観察する時にはほかの類似した土器を参考にしながら欠損部を補うことができますが、それでも欠損部分があまりにも多い場合には土器全体の形や文様を把握するのが難しいことがあります。また、整理作業が終わった遺物を展示や学校の授業で多くの人に見てもらう場合には、一見して土器の特徴が理解できることが重要で、出来る限り不足部分を補って元の形に復元することが必要となります。
なお、上記で解説したのは石膏を用いた土器の復元作業に関わる技法であり、縄文人の土器作りの技法とは全く異なります。<M>
- 2015.08.12 Wednesday
- 遺跡の整理作業
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- by どきたん